体育科卒銀行員経由のアントレプレナーのreport

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安い日本~中田敦彦のYouTube大学~

f:id:u04b127e:20210813155809j:plain読書不要時代という言葉を聞いたことありますか?
先日不動産系のメルマガでこんなことを書いている人がいました。
「最近は読書をする機会が減った。本を読んでその内容をわかりやすく解説しくれるYouTubeがあるからだ。なので最近の移動中のインプットはひたすらYouTubeだ。」
いかがでしょうか。一理あるように私は感じます。例えば最近よく登場する中田敦彦YouTube大学、これはだいたい一冊の書籍を40分程の動画にまとめ前編、後編として動画配信されています。だいたいこれを1.75倍速再生して見聞きするわけですが、正直わかりやすいです。
今回は書籍を読まずに、ユーチューブの内容をまとめる形でお届けしてみようと思います。仕入0円。所要時間2時間のレポートです。
詳しくはユーチューブをご覧いただくなり、書籍をお求めいただければと思います。
まずデフレとは何か?そんな難しいタイトルはやめて、現状を見ていこう。
〇物価
日本は物価が安いという意識はあるだろうか?どうだろう、高いものもあれば安いものもあるといったところではないだろうか。東京の地価は高いと聞く、坪何百万、新潟では到底考えられない。しかし安いものもある。なぜなら牛丼が一杯300円切っているし、100円ショップもある。ただ様子がおかしいなと思ったのはシンガポールに移住してからだ。妻が言った
シンガポールは100均じゃないのよ。2ドル(200円弱)よ。」
日本の1.5倍から2倍取っているわけだ。
ただこれはシンガポールだけではない。台湾でも約200円弱なのだ。タイでも200円弱。
そう、シンガポールが高いのではなく、日本だけがなぜか安いのだ。しかも中国等で作っているので輸出による関税で日本の商品が高く売られているわけではない。
ディズニーランド、舞浜にでも住んでいない限り毎日行くことは高くて叶わない。コロナ渦においてもさらに値上げをして、1デーパスポートが8200円~8700円だ。ところがこのディズニー、世界各国にあるディズニーの中で最安値なのだ。アメリカフロリダのディズニーの入場料は14000円。日本より狭いとされている香港も日本より高い。ほとんどが10000円超だ。上海、カリフォルニア、、、。値上げを繰り返すディズニーというイメージは強いが、日本では思った程の値上げはできていない。
2016年ニューヨークタイムズガリガリ君がニュースになった。
ガリガリ君がこんなCMを打ったからだ。幹部たちが会社前にずらっと並び
「25年踏ん張りましたが、値上げさせていただきます。」
という内容だ。60円から70円への値上げに伴うものだった。
我々消費者からするとよくわかるものではないだろうか。おいおい昔は50円だったのに70円かよ、という反感が湧くことを想定して赤城乳業はそんなCMを作成したのだろう。
この25年というのがポイントだ。そう、25年値上げしてこなかったというのが日本なのだ。それが普通になっていたのが日本なのだ。一方昔の映像で駄菓子が何銭で変えた時代もあった、これは今で言うと〇〇円くらいという表現があるように、昔よりも値段が上がることが当たり前の時代もあった。しかし、我々はここ30年で完全にマインドチェンジしてしまった。つまり物価は基本的に上がらないものだと思い込んでしまっていたのだ。ところがそう思っていたのは日本だけだったということだ。他の国では上がり続けていた。物価が横ばいだったのは日本だけだった。
さて、物が安いことに何の問題があるのか?
こんなデータがある。物価が安いことを日本人は歓迎しているか?こんなアンケートが2020年行われた。
「物価が安いのは良いことだと思う」、という答えが「悪いと思う」の1.5倍の回答を得た。理由はシンプル、コロナで収入減っているから、というものだ。
だが、この物価が安い=良いことだ、と思っている日本人に問題点があるという話だ。
〇給料
実は安いのは物価だけではない。給料も安いのだ。年収1200万が低所得とされる地域があるのをご存じだろうか。シリコンバレーのあるサンフランシスコ、非常に物価が上がっている。一流企業、一流人材が流入し生産性を上げに上げて、物価が上がっていった。そしてついにアメリカの都市開発省がサンフランシスコにおいては年収1400万を低所得に分類した。この加熱感からテキサスに本社を移す動きもあるようだが、ここで比較したいのはこのサンフランシスコと日本で一番お金持ちのエリア港区だ。
赤坂も青山もある港区の平均年収が1200万。サンフランシスコの低所得が日本の最高年収地域のそれよりも高いという事実をどう受け止めたら良いだろうか。
サンフランシスコ、港区が極端な例だとするならば、大卒1年目の平均給与を見てみよう。アメリカ600万円台、ドイツ500万円台、日本はというと平均すると250万円台だ。なんと日本は実質賃金が30年間下がり続けている。実質賃金とは物価に対する賃金のことだ。(最近の池田の感覚だと住宅価格が顕著だと感じる。10年前のメーカーの戸建て予算は2500万程だったが最近は3000万からだ)
ここで極端な話だが、物価も安くて賃金も安ければ良いではないか、という点について触れたい。
物価も上がって給料も上がっている地域と、物価も下がって給料も下がっている地域。どっちが良いか!?
牛丼があの値段で清潔なキッチンから出てきておいしく食べれる、そんなことはシンガポールでは考えられない。安いものはやはり雑然としていて食べれたものではない。回転ずしもあのクオリティーで100円はすごい。シンガポールはサーモン、サーモン、マヨネーズにサーモンといった感じでシャリも何か違う。
ただ、ここで考えたい。
〇買われる日本
高い給料の人が高い物価のところで生活する分には問題ない。でも普通の給料の人が毎回1500円のラーメンを食べることができるだろうか。シンガポールのラーメンは高いのだ。
では物価も給料も安い日本に給料の高い人が来たらどうなるか、という話に入る。
サンフランシスコの人がテキサスではなく、日本に来たらどうなるか?うはうはである。ラーメンが1000円以下で食べれるの?となる、どうなるか?たくさん買うのだ。
2015年銀座に中国人が押し寄せて爆買いをしたが、あの本当の意味を理解しているだろうか?日本のものがクオリティ高くて、中国には良いものがないから日本に来てわざわざ来て買っていくんでしょ?ではないのだ。あるのだ中国にも。でも高い、だから日本で買っていただけなのである。
インバウンドを取るというのは観光だ。京都、奈良だけでなく飛騨高山まで外国人が押し寄せた。これまでの観光立国パリのように日本にも観光客がくるようになった、おもてなしが伝わった!ではない。来やすくなっただけなのだ。イギリスの旅行誌を見ると、ロンドンから最も安く行ける最も遠い国として日がと載っている。そこには日本はここ数十年に渡る景気低迷のおかげで旅行者にとって魅力的な国になった、と紹介されている。これは怖いことではないだろうか。インバウンドインバウンドと喜んでいる裏に、日本は安いからという大きなそしてシンプルな経済的な理由が横たわっていることを知らないのはまずい。
商品や観光が買われている段階ではよかった。しかし買われるのは何も買ってほしいものだけではない。
お土産はいくらでも買っていただいて結構。しかし土地はどうだろう。北海道のニセコ、パウダースノーで上質なゲレンデを保有しているところだが、国内ではその価値が評価されず国際的に見れば割安になっていた。そこに目をつけてどんどん外国人が買っていった。そしてどんどん海外のセレブ達が訪れた。どうなったか?なんとニセコのラーメンが1500円になったのだ。家賃も札幌よりも高くなったという異常事態が起きた。それでも海外の人は言う、「割安だね」
そうなると二極化が起こる。地元の日本人は高くてニセコでスキーはできないし、ニセコでラーメンは食べられない。どこかで聞いたことのある話ではないだろうか。例えばハワイ。ワイキキの辺りに日本人は旅行に行き、まさに高いラーメンを食べるわけだが、そこに現地の人はいない。その「現地の人」に我々はなってきているのではないだろうか。
そして人材。買われる人材として顕著なのかアニメ業界だ。日本と言えばアニメ、というぐらい文化として確立されているが、一方でアニメーターの待遇の悪さも言われ続けている。ということは日本のアニメーターや制作会社がどんどん外資に買われていくのだ。今まではアニメの製作委員会というのをテレビ局、出版社、広告代理店、おもちゃ屋が出資して作り、その下請けに制作会社があるという構図だった。そのため二次利用、権利、物販の利益は製作委員会に回り、制作会社はあまり儲からなかった。そこに現れたのが黒船NETFLIXだ。
ネットフリックスはサブスクで潤沢な前予算を蓄え、それを制作会社に直接発注する。3倍の値段を出すぞ、と言われればアニメーターとしてはネットフリックスお抱えになった方が良いに決まっている。ちなみにネットフリックスの製作予算はNHKの5倍だ。
つまり人材の爆買いが行われていくことになる。
次に買われるのは企業だ。長野の特殊技術のある会社を買おう、大阪の町工場を買おう、といった具合だ。
果たしてそれでいいのか。
冒頭の牛丼安くて何が悪い、からここまでくるとなるほどデフレとはそういうことかと点と点が線でつながってくるのではないだろうか。だからデフレから脱却しないといけないのか!と。
〇未来と対策
今後東京に高級ホテルがバンバン建つと言われている。5つ星ホテルが世界的には少なく、富裕層向けホテルが少ないと言われているからだ。しかし、そこに日本人は泊まらない、、、。そうなるとそこで出せれる寿司はどうなるか、市場原理からすれば外資に買い負けて、外資が良い食材を買い占め、良い食材で握られた寿司は外資が建てたホテルで、外資に雇われた職人が、海外のセレブにふるまうということが起き、我々の口には入らないというのは大げさだろうか。
日本の企業の上層部CEOは中国人、幹部はインド人となって、海外から日本に来る人はいるけれど海外に行く日本人はとんとみ見なくなるこんな時代になってしまう。社内で英語、中国語が飛び交う中、日本語しかしゃべれません、、、となれば「あー現地の言葉しかしゃべれないのか」ということで給料が上がらない。給料が上がらないということはおいしい寿司も食べれなければ、良いホテルにも泊まれない。そういう日本人というが未来の日本人なのかもしれない。
だとしたらダイソー100円、やったね!というのは間違ったスタンスなのかもしれないと気づくべきかもしれない
ではどうしたら良いのか?
〇適正価格に対する認識を持つこと
これがなされない限り問題の解決にはならない。企業も消費者も値上げに対して寛容になるべきだ。安ければ安い程良いかもしれないが、それは従業員の給料にも反映し、良いものも買えなくなる。日本人は給料を上げてくれと言わない人種と言われている。今後は属人的に給料を上げていく時代なのかもしれない
〇もう一つは人的投資に対しての見直しを行うこと。
日本企業は30年以上前の好景気の際、その利益をプールした。人材開発に投資する金額がGDP比で日本は突出して低い。もっと国、大学は必要なIT関係のスキル等を若者に費やしていく必要がある。
若者にこれからの未来を担う世代に投資している国ががんがん伸びていっている。これからの時代AIとかの高度な知識が必要とされる。それがないと生産性が上がらない。サンフランシスコの生産性が上がっていったのはまさにITを駆使したことよるものだ。
それをしていかないと日本人はスキルもないし日本語しかしゃべれないし、安い仕事しか任せられないよね。という負のスパイラルが起き続け、給料が安くなり、海外旅行に行けなくなり、ラーメンも寿司も食べれない、そんな悲惨な状態に陥ってしまうかもしれない。
お笑い芸人も一緒だ。みんなYouTubeを始めて次に何をしたら良いか!?と模索しつづけている、そんなことをしていたら今私はここにいるというだけの話だ。
(吉本を辞めてシンガポールに移住し、という変化を言っている
一歩一歩前進していけば未来は必ずあるはず。ではまた!
「考察」
非常に危機感を感じる内容で、行政レベルで考えないといけない問題とさえ感じますが、今置かれた立場で何をするかアンテナを張る必要性を感じます。特に経営者の皆様は悩ましい問題だと思います。例えば今回のウッドショックも適正価格に対して寛容になる機会ととらえることができれば、変化するタイミングなのかもしれません。また冒頭書きましたが、今回はこの書籍は実際には読んでいませんが、十分内容は頭に入りました。料理で電子レンジを使うのは邪道だと言う料理人がもう古いのと同じで、インプットの仕方も読書、YouTubeとハイブリッドで活用していく時代なのかもしれません。少しでも参考になれば幸い