体育科卒銀行員経由のアントレプレナーのreport

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東京大学医学部の先生の話

~がんについて~

この手の話は情報がかなり出ているので、取り立てて勉強しようという気にならかったのですが、東大の先生ということで聞きました。スピーカーの中川恵一先生ご自身もがんになられた経験をお持ちです。

健康であるということがどれだけありがたいか、私も最近はつくづく感じますので、今後の生活に活かしていただけると幸いです。

まず、これだけ医学が進歩していると言われているにも関わらず、年間100万人ががんになり、38万人ががんでなくなっています。生涯において男性は3人に2人、女性は2人に1人ががんになる確率です。

一方、65歳までにがんに罹患する確率は15%というデータもあり、高齢になると急激に罹患率が高くなるのがわかります。しかし若い世代において、50代前半に限ってみると女性が男性の倍、がんに罹患しているデータもあります。ですから一概に若いからがんにならないというのは間違いだと言えるでしょう。

さらに20歳から39歳ではがんに罹患される方のうち80%が女性というデータもあり、これは実生活でも女性特有のがんに罹患された方の多さから実感できます。

日本は医療技術が発達している国だという認識の方が多いと思いますが、がん死亡率はアメリカの1.9倍あり、残念ながら日本はがん対策後進国であるという現実があります。受動喫煙対策においてはWHOから前世紀並みに遅れている酷評され、その証拠にアメリカのたばこパッケージは亡くなった人の顔にに白い布がかけられたパッケージになっているのに対し、日本は「喫煙はあなたにとって肺がんの原因の一つになります」というメッセージだけです。

またヘルスリテラシーも日本人は低いとされ、がん予防のために実践すべきこと、というアンケートの1位は「焦げた部分を食べない」というものですが、これは相当量の焦げを食べない限り影響はないとされていまし、日光を避けるという回答もありますが、30分程の日光浴はビタミンDの生成にもつながり体に良いとされています。

健診受診についても見てみると、乳がん検診、子宮頸がん検診ともに日本は欧米の半分しか受診されていません。
がんは1,2センチのうちに発見できれば95%完治するにも関わらずです。自覚症状がある頃にはがん細胞は急激に増殖してしまいます。

最近では血液1滴ですべてのことがわかる、という話もありますが、受けるべきは市町村から案内のある、胃部X線検査、胃内視鏡検査、胸部X線検査、便潜血検査、子宮頸がん検診(細胞診)、乳がん検診(マンモグラフィー)です。

昨今のコロナ報道を少し俯瞰で見てみると、コロナによる死亡者は1.8万人、それに対して毎年がんでなくなる方は38万人います。しかもコロナで亡くなる方の平均年齢は80歳を超えています。コロナワクチンと同じくらいがん検診も普及させるべきなのです。

「まとめ」
コロナでなくなる人よりもがんでなくなる人の方が20倍多いという現実。
それからすると日本人はまじめで、コロナのワクチンを一斉に受診し感染者が激減したわけですが、これと同じくらい、もしくはそれ以上にがん検診を2年に1回受けることも大切であることが世の中に知れ渡ると良いのと感じました。

またスピーカーの中川先生は放射線の先生なのでそういう言い方になるのかもしれませんが、体への負担は少ないのにも関わらずがん治療における放射線治療の実施率が欧米に比べると日本は著しく低いというお話がありました。

これはテレビドラマの影響もあるとのお話で、放射線治療は寝ているだけですから、ドラマにし辛い側面があるようです。そしてアメリカに比べて約2倍の死亡率があるという現実と重ね合わせると、放射線治療はもっと見直されてもいい治療法なのかもしれません。

さらにコロナによるがん検診の受診が3割減少したというデータも示されていましたから、近い将来についても危惧します。数年後、自覚症状が現れて初めて受診して最悪亡くなる方が統計的に増加することが予想されるからです。

コロナ渦において、もちろんコロナ対策も必要であるけれども俯瞰してみると継続してやるべきことは何なのか、冷静な語り口でお話されており非常に興味深かったです。

最後に、そういう意味では皆さんのような保険会社の方達が正しい情報を発信していくということは社会的に大変意義のあることなのだと激励もいただきました。
がん検診受けてください。