財務はおもしろい 老舗企業の思考から学ぶ、"百年続く中小企業経営"の教科書 (数字を使わずカンタンに理解するカベヤ式(NextPublishing))
- 作者:壁谷 英薫
- 発売日: 2019/07/19
- メディア: オンデマンド (ペーパーバック)
1から7の会社の経営状態が書かれています。これはキャッシュフロー計算書によく似ていますが、この会社はどのような状態でしょう。
財務CF→投資CF→営業CF(調達→運用→利益)の順番で見ます。
1→借入か増資をし(財務CF+)、投資に回してお金が出ていき(投資CF△)、その結果利益が出て(営業CF+)、お金が増えた(手許+)
創業間もない会社が仕掛けた状態、あるいは新規ビジネスを初めて結果が出た状態なのかな!?などとイメージ
2→銀行に借入を返済し(財務CF△)、投資にもお金を回し(投資CF△)、本業では利益を上げ(営業CF+)、トータルの手許のキャッシュは減った(手許△)
銀行への返済と設備投資を同時に行い、手許のキャッシュは減っているが本業は〇。内部留保の厚い力のある会社なのかな!?などとイメージ
3→借りた金を返し(財務CF△)、投資を売却し(投資CF+)、営業でも設けて(営業CF+)、手許が増えた(手許+)
土地を売却したお金で借入を返済して自己資本を充実させたのかな!?などとイメージ
4→金を借り(財務CF+)、投資資金を売却し(投資CF+)、本業は赤字だが(営業CF)、お金は増えた(手許+)
お金は増えたが、本業は儲かっていない。借入もしている投資も解消している、営業CFがこのまま△だとまずいかな!?などとイメージ
5→返済を進め(財務CF△)、投資を回収し(投資CF+)、本業は赤字で(営業CF△)、お金は減った(手許△)
返済をし、投資も店じまい、本業は儲からないし、お金も徐々に減っている成熟期、衰退期なのかな!?などとイメージ
6→資金調達をし(財務CF+)、投資をし(投資CF△)、本業は×だが(営業CF△)、手許は増えた(手許+)
手許のキャッシュが増えた理由は借入かな!?利益剰余金と現預金の比率を確認してみよう、などとイメージ
7→お金を借りたたか増資して(財務CF+)、投資を解消して(投資CF+)、営業で儲けて(営業CF+)、現金も増えた(手許+)
本業と投資売却資金、借入どの項目が一番現金増大に寄与しているかな、などとイメージ
このように、一概に+だから良い、△だから悪いということではなく、何が原因でどうなったのかをおおまかに読み解いたり、イメージすることができます。
かつて粉飾で倒産した長岡のプロデュースという会社は営業CFは+のような見せ方をしていましたが、長期的に見ると財務CFが+、つまり銀行から借入を恒常的に行い、手許が△現金は減っている傾向にありました。ソフトバンクは営業CFをほぼそのまま投資CFに回すアグレッシブなお金の使い方をしてきましたが、最近は少し暗雲が立ち込めています。