体育科卒銀行員経由のアントレプレナーのreport

日々勉強したこと、収益目的ではないです。Facebookに貼り付けたりはしないでください。

夜回り先生

水谷修 「夜回り先生
  朝の情報番組ビビットにもでている夜回り先生こと、水谷修氏。視聴率低迷にあえぐビビット司会の国分太一さんと交流があり、視聴率アップに一役買おうと出演しているそうです。講演慣れしていて、ものすごいマシンガントークに加え中身もぎっしりでした。録音は許可されていなかったので一生懸命メモした内容をお伝え致します。 上智大学卒業後公立高校の教員になった水谷氏、ある時友人の夜間学校に勤務する教員に 「おまえはいいよな、良い子ばかり相手で。こっちは腐った生徒ばかりで何を教えてもだめなんだよ。」 そう言われて激怒した彼は、 「腐らせたのは大人のせいだ。それを生き返らせるのが教師の役目だろ。」 と夜間学校に志願して異動。赴任先は横浜市立港高校という当時教員のゴミ捨て場と言われた学校だった。席にはつかない、話は聞かない、到底授業にならない状況の中で、子どもと同じフィールドで会話をしようと夜回りをスタート。23時に駅周辺を夜回りし、24年間で逮捕させた子どもは1200人。それだけでも十分すごいが、夜回り経験の中で右手の親指をやくざに潰され、最近ようやく爪が生えてきたと笑い飛ばし、 「でもこれで在日の教え子を堅気の世界に戻すことに成功できたんです。」 と真顔。また脇腹を刺されたこともあり、刺した本人は今立派にラーメン屋を経営していて、たまにわき腹がうずくものの、そのラーメン屋ではただでラーメンが食べられるんですと場内爆笑。 学校に来ない生徒にはAM3時に自宅に行き宿題をやらせ、 「この宿題をやれば単位をくれるよう教科担任に掛けやってやるぞ。」 一週間も続けると生徒の方が根を上げ、 「学校に行った方がましだよ。」 「先生は不登校にもさせてくれなかった。」 と情熱を傾ける。 14年前、18歳を超えても入れる施設を作り、施設には神奈川県警と同じ逆探知システムを完備し、自殺したいという電話があるとソフトバンクと連携して住所を特定、現場の救急に連絡して自殺を未然に防ぐなどの活動を展開している。その運営費はなんと1200人の教え子たちからのカンパだ。それでもこれまで139人の自殺者、51人の薬物による死亡者を救うことはできなかったのだという。 ではなぜこのような活動を続けることができるのか。それはまっとうに生きるようになった教え子からの 「ありがとう」 の言葉。 3.11。一人の教え子を失う。いじめに悩みながらも見事社会復帰し小学校の教員として石巻で勤務していた一人の女性教師だ。彼女は自分がそうされたように教え子を守ろうと、足の不自由な自分の教え子をかばうような形で一緒に遺体で発見された。この地震の際、リストカットの常習犯だったある女子高生が、避難先の体育館で担当医と再会する。生きていたのかと抱きしめられ、医療スタッフとして一緒に活動する中で、寒いと震えるお年寄りに添い寝をしてあげ 「ありがとうね。」 感謝されたこの言葉に、水谷氏の 「人のために何かしてごらん、ありがとうが明日への原動力になる。」 「人は誰かを幸せにするために生きる。」 とい言葉の意味を理解したと言う。彼女は今看護師を目指して奮闘中だ。 イライラした空間が多いとよくない。子どもにどなりちらしていないだろうか!?生めば親ではない。生んでくれてありがとう、ここまでいわれて初めて親と言えるのである。 1991年バブル崩壊。社会の悪い影響が夫を汚染し、夫は妻に当たり、妻は子どもに当たり、子どもは自分より弱い子どもに当たるという悪循環が生じる。しかしこの悪循環はいわば文明病で、アフリカ等にはない。なぜなら彼らは生きることに必死で、毎日体を酷使しくたくたに疲れて寝る、という人間本来の姿で生きているからだ。生き方は言葉で教えてはいけない、姿勢、背中で教えるものだ。道徳という科目は本来授業ではなく、普段の姿勢、背中で見せるものではないのか。今日本には100万人のうつ病患者、1100万人が心療内科を受診している。しかも10代から30代が多く、これでは国がもたない。2兆6千億の医療費は10年で20倍にも膨張している。 体は疲れていないけれど心は疲れている。これがストレスにつながるのであれば体を疲れさせればよいのだ。 青春ドラマの、あの夕日に向かって走るぞ、というシーン。あれは実は理に適っている。健全な肉体に健全な心は宿る。つまり生活習慣が大切なのであって、月から金の朝に美しいものを探してみてはどうか。空の青、草の緑、川のせせらぎは人間にエネルギーをくれる。夜の街はきらきらとネオンがきれいだが、朝行くとガラクタだらけだということに気付く。1200年前このことに気付いた空海は、88の寺を歩いて回るお遍路を行った。体の疲労、熟睡というのが心のリフレッシュに深い関わりがあることに私たちは気が付かなくてはならない。 人は自己肯定感、褒められることで美しくなる。妻を一円もかけずに美人にする方法。たちまち姿勢が美しくなり、目が輝き、美しくなるその方法は、褒めることだ。 夜、子どもにメールやインターネットをさせるのは絶対によくない。夜は感情が不安定になり、仮想空間から戻ってこれなくなってしまう危険性がある。おそらく映画館が明るかったらだれも感動しないだろう。花や木を土から抜いたら枯れるように人間も本来土を足で踏みしめる生き物だ。それを実証する東京都のある小学校は、素足の日を決めていてその結果都で一番の学業成績を修めている。 神社、寺でつばを吐ける人はいないのはなぜか。これは長きにわたって培われた日本人のDNAである。不登校の子どもを宗教施設にいれると社会復帰が早くなるデータもあるくらいだ。 最後に愛さんという女の子の話。 優秀な両親に優秀な姉、自分だけなぜ、という思いから夜の世界へ。不幸にも複数の男性から集団レイプをされた経験に加え、薬物漬けにされ売春をさせられてエイズに感染。完全に自分を見失い、その後数百人の男性と関係を持つが、その目的はひとりでも多くの人に病気を感染させるという社会への復讐だった。 彼女は死ぬ間際、自分のことを講演で話してくれと懇願した。自分のような子どもを絶対に作りたくないという切なる思いだった。彼は今8,3運動、8時と3時に一歩外に出て子どもを笑わせよう、健全な大人の目で子どもを守ろうという活動を広めている。 がま、これは沖縄の方言で洞窟のこと。1945年、4月から6月、アメリカ軍により24万人が犠牲になった。そのうち14万人が一般人だったのだが、あるガマで隠れていた集落の人達の悲劇。そのガマは頑丈でかつ、敵軍に見つかりにくい立地にあった。しかし上手く隠れていた矢先、赤ん坊の鳴き声でアメリカ軍に見つかってしまう。次々と投げ込まれる手りゅう弾に、一人また一人と大人がその手りゅう弾に体をかぶせ自分の命と引き換えに被害を食い止めた。自分たちの妻、子どものために。 私たちの命、私たちの子どもの命は酷い過去、無念の死の上にある尊いものだと知らなければならない。